相続税についてのブログが始まりました!
今回は相続税の基本についてみていきたいと思います。
目次
Toggle相続税はどのくらいの人が払っているの?
国税庁の発表によれば令和4年の死亡者数1,569,050人のうち、相続税の申告書の提出にかかる被相続人の人数(相続税の対象になった方)の人数は150,858人となっています。おおむね10人に1人が相続税の対象になっています。
相続人の数にもよりますが、相続財産が3,600万円未満の場合は相続税が非課税になりますので、相続税がかかる方は最低でもこれくらいの財産があるということですね。
また、1人当たりの財産額は約1,300万となっており、納税額の平均は約1,800万円となっております。
高齢化が進む中で当然被相続人の人数も増加傾向にあり、H25年から8年間の間で相続の対象となる人数は54,000人から150,000人と約3倍近くも増えております。税額についても、H25年の1.5兆円からR4年の2.8兆円とこちらもほぼ倍増しています。
このように年々税額が増えている相続税ですが、国税収入の割合からいうと、実はそこまで多くはありません。令和4年度では65.2兆円の税収に対し、相続税の割合は3.9%となっており、順番としては消費税(33%)、所得税(31%)、法人税(20%)に次ぐ割合になっています。
相続税の歴史
日本における相続税の歴史はかなり古いものであり、明治38年にスタートしました。当初の目的としては日露戦争の戦費調達のために導入がされています。
それからというもの、法人・所得・相続については消費税が導入されるまで「国税3法」と言われ、長らく国家の財政を支えてきました。
過去多くの改正がなされ、今に至っています。過去最高税率が70%になったこともありますが、おおむね50~55%(現在の最高税率は55%)となっています。
ちなみに諸外国との比較ですが、単純な最高税率でいえばOECD加盟国では日本(55%)が第1位となっています。次いで韓国(50%)、フランス(45%)、アメリカ(40%)と続いていきます。
単純な税率のみになりますので、たとえば課税される最低ラインとなる基礎控除の金額が高ければ、それだけ相続税の負担者も少なくなります。
また、日本の場合は贈与税を基礎控除(110万)以内にすれば無税で移転させることができます(ただし、相続時は持ち戻しが発生)。
日本では令和6年度の税制改正で、贈与税の持ち戻し期間が3年から7年に延長されることになりましたが、このように基礎控除内の贈与を長年繰り返すことで、ある程度税負担を減らすことができるという状況の対策として改正されました。
財産の構成比
現状の構成比としては現預金が最も多く全体の34%を占めており、次に土地が32%となっています。
元々、日本では相続税に占める土地の割合が多かったのですが、近年は少しずつ現金預金の割合が増え、土地の割合が下がっていっています。
日本は従来から財産に占める現金預金の割合が多い国とされていて、たとえば
アメリカでは同割合が13%、ヨーロッパでは34%となっており、他の先進国と比べても現金預金の割合が多い国と言えます。
次回以降のブログでお話しますが、近年は利回りの関係から、現預金ではなく投資信託や株に変えて保有される方も増え、今後はよりその傾向が強まるといえます。
おわりに
今回は相続税の概観についてみていきました。次回は相続税の対象財産について詳しく見ていきます!